いちばん有名なじゃんけんのバリエーションは「じゃんけんリザード・スポック」です。手を2つ増やして、あいこを減らしたものです。ほかにも、番号のついたもっと大きなバージョン(RPS-7、RPS-15、RPS-25、そして101種類の手があるRPS-101)、「クマ・ハンター・忍者」のような全身を使うバージョン、韓国のムッチッパのような地域のゲームがあります。以下では、それぞれのルールと、どんな人たちに向いているかを紹介します。
先に1つはっきりさせておきます。「公式」のバリエーションはありません。普通の3つの手のじゃんけんには、大会でよく使われる決まりがあり、それはルールのページで説明していますが、バリエーションを管理している人はいません。どれも、ある家のルールが広まったもので、ほとんどは1人の人が考えたものです。
バリエーションがある理由
普通のじゃんけんでは、毎回3分の1の確率であいこになります。手を増やすと、その確率が下がります。手が5つなら5分の1、15なら15分の1です。大事なのはゲームを公平に保つことで、どの手も、負ける手と同じ数だけ勝たなければなりません。これは手の数が奇数のときしか成り立ちません。ちゃんとしたバリエーションの手の数が3、5、7、9、15、25、101になっているのはそのためです。
| バリエーション | 手の数 | 1つの手が勝つ数 | あいこの確率 |
|---|---|---|---|
| 普通のじゃんけん | 3 | 1 | 3分の1 |
| リザード・スポック | 5 | 2 | 5分の1 |
| RPS-7 | 7 | 3 | 7分の1 |
| RPS-15 | 15 | 7 | 15分の1 |
| RPS-25 | 25 | 12 | 25分の1 |
| RPS-101 | 101 | 50 | 101分の1 |
あいこの確率は、2人ともランダムに選ぶ前提です。実際の人はそうしないので、本当のあいこの割合は少し変わります。
じゃんけんリザード・スポック(5つの手)
Sam KassがKaren Brylaと一緒に作り、2008年にThe Big Bang Theory(邦題『ビッグバン★セオリー』)で有名になりました。Kassによると、お互いをよく知っている人同士だと、3つの手のじゃんけんではあいこが多すぎるのが理由でした。新しい2つの手は、リザード(トカゲ。靴下人形の口のような手の形)とスポック(バルカン式の敬礼)です。
| 手 | 勝つ相手 |
|---|---|
| チョキ | パー(切る)、リザード(首をはねる) |
| パー | グー(包む)、スポック(論破する) |
| グー | リザード(つぶす)、チョキ(つぶす) |
| リザード | スポック(毒を盛る)、パー(食べる) |
| スポック | チョキ(壊す)、グー(蒸発させる) |
くわしい説明と印刷できる表はこちら:じゃんけんリザード・スポック。誕生のいきさつは別の記事にまとめています:リザード・スポックの歴史。
向いている人: 普通のじゃんけんはもう知っていて、一段レベルを上げたいグループ。たいていの人は2回やれば覚えます。
David Lovelaceのシリーズ:RPS-7、RPS-15、RPS-25、RPS-101
David C. Lovelaceは、自分のサイトumop.comで、7つの手のバージョンから始めて、もっと大きなバリエーションを次々と発表しました。RPS-15とRPS-25は2000年代半ばのものです。RPS-101がいちばん大きく、101種類の手と5,050通りの組み合わせがあります。
RPS-15
15の手を、Lovelaceが使う円の順番で並べると、グー、火、チョキ、ヘビ、人間、木、オオカミ、スポンジ、パー、空気、水、ドラゴン、悪魔、雷、銃です。
目安として、それぞれの手は円の上で自分のあとに続く7つに勝ちます。彼の表からいくつか例を挙げます。
| 手 | 勝つ相手 |
|---|---|
| グー | 火、チョキ、ヘビ、人間、木、オオカミ、スポンジ |
| パー | 空気、水、ドラゴン、悪魔、雷、銃、グー |
| 水 | ドラゴン、悪魔、雷、銃、グー、火、チョキ |
| 銃 | グー、火、チョキ、ヘビ、人間、木、オオカミ |
円を印刷してテーブルに置いておきましょう。最初の夜に覚えられる人はいませんが、それも楽しみのうちです。スポンジが本当にパーに勝つのかと言い合うのが、ゲームの半分です。
RPS-25とRPS-101
RPS-25は同じ円の考え方で25の手があり、それぞれ12の手に勝ちます。RPS-101は101の手で、それぞれ50の手に勝ち、Lovelaceはすべての組み合わせについて短い説明を書きました。パーティーゲームというより、資料集に近いものです。私なら、誰が皿洗いをするかを決めるためではなく、授業で組み合わせの数を学ぶ練習に使います。
向いている人: RPS-15は、表を印刷すればゲームナイトで遊べます。RPS-25とRPS-101は、好奇心を満たすためのものです。
クマ・ハンター・忍者(全身を使う)
立って遊ぶバージョンで、プレイヤーは背中合わせになり、カウントダウンしてから、くるっと振り向いてポーズをとります。クマ(両腕を上げて爪を出す)は忍者に勝ち、忍者(空手の構え)はハンターに勝ち、ハンター(ライフルを構える)はクマに勝ちます。普通のじゃんけんと同じ3つの循環を、体全体でやるだけです。人数の多いグループや、体を動かしたい子どもにぴったりです。
向いている人: キャンプ、教室、ウォーミングアップ、そして10人以上を2列に分けたチーム。
ムッチッパ(韓国)
これは手の数ではなく、ゲームの構造を変えたものです。まず普通のじゃんけん(韓国語でカウィ・バウィ・ボ)をします。勝った人が攻撃側になります。それから2人ともリズムに合わせて手を出し続け、攻撃側は「ムク(グー)」「チ(チョキ)」「パ(パー)」のどれかを叫びます。守備側が攻撃側と同じ手を出したら、攻撃側の勝ちです。手が違えば、そのやりとりで勝つほうが新しい攻撃側になって、ゲームが続きます。
速くて、にぎやかで、思ったより本当に難しいゲームです。叫ぶのと手を出すのを同時にやらなければならないからです。地域のゲームについては世界のじゃんけんでもっと紹介しています。
向いている人: 1回勝負ではなく、長めの決闘をしたい2人。
アリ・人・ゾウ(インドネシア)
「スイト」や「ステン」と呼ばれ、こぶしではなく指で遊びます。ゾウは親指、人は人差し指、アリは小指です。ゾウは人を踏みつぶし、人はアリを踏み、アリはゾウの耳にもぐりこみます。しくみは普通のじゃんけんとまったく同じなので、教えやすいゲームです。
どのバージョンにも使える家のルール
これは名前のついたバリエーションではなく、私がいろいろな場で見てきた、うまくいくちょっとした工夫です。
- 3回勝負ではなく5回勝負。 長い試合では、運より相手を読む力が報われます。理由は戦略をご覧ください。
- 同じ手の連続禁止。 同じ手を2回続けて出してはいけません。これで手が読みやすくなり、よく考えるプレイヤーが有利になります。
- 予告の手。 1人がカウントの前に出す手を宣言し、もう1人はそれを信じても信じなくてもかまいません。1回で終わるはったりのゲームです。
- チームリレー。 2列が向かい合い、負けた人は列の後ろに回り、勝った人は残ります。先に列が空になったほうの負けです。
- 勝ち抜きサークル。 全員が一斉に手を出します。ちょうど2種類の手が出たら、負けた手の人が抜けます。3種類すべて、または1種類だけなら、もう一度出します。
私のゲームナイトおすすめ
| グループ | これで遊ぼう |
|---|---|
| 8歳未満の子ども | 普通のじゃんけん、またはクマ・ハンター・忍者 |
| いろいろな年代の家族 | アリ・人・ゾウ、そのあとリザード・スポック |
| いつもあいこになる友だち | リザード・スポック |
| ボードゲーム好き | 表を印刷してRPS-15 |
| 負けず嫌いの2人 | ムッチッパの5回勝負 |
| 10人以上の大人数 | チームリレーか勝ち抜きサークル |
あなたの出した手を見て対応してくる相手と普通のじゃんけんを練習したいなら、オンラインで無料で遊べます。それぞれのバリエーションが生まれたいきさつについては、バリエーションのページをご覧ください。
よくある質問
いちばん人気のあるじゃんけんのバリエーションは?
じゃんけんリザード・スポックが、The Big Bang Theoryのおかげで断トツです。
手の多い公式バージョンはありますか?
いいえ。大きいバージョン(RPS-7からRPS-101まで)はDavid Lovelaceが作ったもので、どこからも公認されていません。じゃんけんのバリエーションを管理している人はいません。
どうしてバリエーションの手の数はみんな奇数なのですか?
偶数だと、負ける数より勝つ数のほうが多い手が必ず出てきてしまい、ゲームが公平でなくなります。奇数なら、どの手もほかの手のちょうど半分に勝てます。
いちばん難しいバリエーションは?
RPS-101です。5,050通りの組み合わせを覚えている人はいないからです。難しくてもちゃんと遊べるゲームなら、ムッチッパは記憶より反射神経が試されます。
