じゃんけんの27のギャンビット
3手の並びは、ちょうど27通りしかありません。そのすべてに名前が付いています。冗談ではありません。
WRPSA
ギャンビットとは、その場で考えるのではなく、あらかじめ決めておく3手続けての並びのことです。3手それぞれに3つの手のどれでも選べるため、可能な並びはちょうど27通り(3×3×3)あり、競技じゃんけんではそのすべてに名前が付いています。覚えたギャンビットを使うのは、その場で考える人間が漏らしてしまうパターンを避けるための方法であって、同じくランダムに出してくる相手に勝つための方法ではありません。

ギャンビットとは何か、なぜ重要なのか
競技じゃんけんにおけるギャンビットとは、あらかじめ決めておく3手の並びのことです。1手につき3通りあるので、組み合わせはちょうど3の3乗=27通り。WRPSAはその一つひとつに名前を付けました。物事を本気で扱うなら、名前を付けるものです。
なぜギャンビットを使うのか。手をあらかじめ決めておけば迷いがなくなり、感情に流された判断もなくなり、自分を裏切る身体のテルも減るからです。作戦を持って臨むことになります。その作戦がひどい可能性はあります。それでも、何もないよりはましです。
グー始まりのギャンビット
| ギャンビット | 並び | 解説 |
|---|---|---|
| アバランチ | グー・グー・グー | グー3連発。大胆で、常軌を逸していて、ときに壊滅的です。 |
| ビューロクラット | グー・グー・パー | グー2回からの切り替え。相手に早めのパーを誘い出します。 |
| ツールボックス | グー・グー・チョキ | グー2回からのチョキ。「次はパーに変えてくる」と決めつけた相手を罰します。 |
| フィストフル・オブ・ダラーズ | グー・パー・グー | 交互で読みにくい並び。クリント・イーストウッドの映画にちなんだ名前で、なかなか的を射ています。 |
| ペーパードール | グー・パー・パー | グーで入ってパーで締める。チョキを出したがる相手によく効きます。 |
| シザー・サンドイッチ | グー・パー・チョキ | 3手を1回ずつ。「手の内を全部お見せします」型のギャンビットです。 |
| デヌーマン | グー・チョキ・グー | グーで挟んで、真ん中にチョキの不意打ち。実に劇的で、実にフランス語らしい響きです。 |
| クレッシェンド | グー・チョキ・パー | 逆回りの一巡。自然な順序に逆らいます。世界が燃えるのを見たいだけの人もいるのです。 |
| シザーストーム | グー・チョキ・チョキ | グーで入ってチョキ2回。パーを出しすぎる相手を狙い撃ちします。 |
パー始まりのギャンビット
| ギャンビット | 並び | 解説 |
|---|---|---|
| ペーパープレーン | パー・グー・グー | パーで入ってグー2回。パーが続くと踏んだ相手を罰します。 |
| スイッチェルー | パー・グー・パー | パーで挟んで真ん中はグー。混乱させるために設計されています。 |
| リバース・クレッシェンド | パー・グー・チョキ | 逆回りの一巡。すっきりして、無駄がなく、読みにくい並びです。 |
| ビューロクラットの逆襲 | パー・パー・グー | パー2回からのグー。書類仕事が片づいて、いよいよ実力行使に出るときに。 |
| パックマン | パー・パー・パー | パー3連発。ひどく過小評価されています。3回続くとは誰も思いません。 |
| バックスタブ | パー・パー・チョキ | パー2回からのチョキ。博物館に飾ってもいいくらい古典的な罠です。 |
| シザー・サルート | パー・チョキ・グー | 順回りの一巡。自然で、流れるよう。手の形でできた川のようです。 |
| シザー・サプライズ | パー・チョキ・パー | パーで挟んで真ん中はチョキ。静けさと攻めが同居します。 |
| フォーリング・シザーズ | パー・チョキ・チョキ | パーからチョキ2回。「気が変わった」と告げる攻撃的な切り替えです。 |
チョキ始まりのギャンビット
| ギャンビット | 並び | 解説 |
|---|---|---|
| ロケット | チョキ・グー・グー | チョキのフェイントからグー2回。パターンを読む相手に効きます。 |
| ハンドシェイク | チョキ・グー・パー | チョキから始まる順回りの一巡。勝負の場にはずいぶん礼儀正しい名前です。 |
| ヘッジクリッパー | チョキ・グー・チョキ | チョキで挟んで真ん中はグー。リズムが読めません。 |
| ピギーバック | チョキ・パー・グー | 逆回りの一巡。手の並びを逆からたどっていきます。 |
| マイム | チョキ・パー・パー | チョキからパー2回。静かで、確実に効く。名前どおりです。 |
| シザーストーム | チョキ・パー・チョキ | チョキで挟んで真ん中はパー。嵐の中心に静かな目があるような並びです。 |
| ブラント・シザーズ | チョキ・チョキ・グー | チョキ2回からのグー。パターンを作って、すぐに壊します。 |
| サイクロン | チョキ・チョキ・パー | チョキ2回からのパー。グーに偏る相手を狙います。 |
| バズソー | チョキ・チョキ・チョキ | チョキ3連発。純粋な攻めです。決まれば恐ろしく、外せば気まずい。 |
ギャンビットの選び方
どのギャンビットが正解かは、相手が誰かと、どれだけリスクを楽しめるかで決まります。
- 初心者が相手なら:グーから入りましょう。統計的に、初心者は初手でチョキを出すことがもっとも多いのです。「新入生のチョキ」と呼ばれる現象で、これは実在します。
- 経験者が相手なら:分かりやすい初手は避けましょう。パックマンやバックスタブのようなパー始まりのギャンビットは、経験者がグーかチョキを予想するぶん、よく効きます。
- 5本勝負では:序盤に攻撃的なもの(アバランチ、バズソー)を置いて心理的な主導権を握り、その後で切り替えます。
- 劣勢のときは:それまでに出した手を繰り返さないギャンビットを選びましょう。相手はこちらのパターンを追っています。役に立たないデータを渡してやるのです。
ギャンビットの先へ
ギャンビットは枠組みであって、教義ではありません。一流の選手は読みに応じて途中で組み立てを変え、ブラフの技術と組み合わせ、心理学の原則を使って自分の並びを説得力あるものに見せます。最良のギャンビットは、相手が予期していないものです。次に良いのは、途中で慌てずにきちんとやり切ったギャンビットです。
